治療家で武道家・織田亮介が挑む「武道も体の状態も、日々の在り方」【第6回敬天愛人練武大会】

9月7日(土)墨田区総合体育館で行われる第6回敬天愛人練武大会の、プロ試合に出場する織田亮介選手へのインタビューを公開。

整体サロンを運営し、子ども達に空手の指導をしている織田選手に、武道への想いついて聞きました。

織田亮介「武道も体の状態も、日々の在り方」

――自己紹介をお願いします。

「東京都葛飾区で「Seed」っていう整体サロンとファーマーズマーケット運営をしていて、葛飾区の東堀切で子供たちを中心に、「身体のプロが教える武道」総合武道・健陽会を指導しております。織田亮介と申します」

一応僕は中学校2年生のときに総合武道・玄気道という、空手がメインですが武器術や合気道など色々な武道を稽古する道場に通っていました。当時はK-1が凄く流行っていて、アンディ・フグとかヘビー級のキックボクシングに憧れたんですよ。そこからジャッキー・チェンやブルース・リーなども見漁っていって、たまたま近くに道場があるということで入りました。それは21歳くらいまでやっていました。

やっていく中でもうちょっと競技的に頑張りたいと思い、たまたま僕が通っていた接骨院の学校の同級生に『うちの接骨院は総合格闘技の道場もやってるんだよ』と教えてもらい、18歳の時に当時のイルストリートジム、今のアポロトータルジムに行かせていただきました。

そこからまた出会いがあり、キックボクシングジムに紹介されて、そこのジムで3年くらいキックボクシングをやっていました。一応プロも5戦くらいやったんです。

減量やハードワークで身体と心を崩してしまって、引退してからも蕁麻疹だったりとか、腰痛だったりとか、日頃の倦怠感とか、なんかすごい不健康な状態になっちゃったんです。精神的にもちょっとふさぎ込んでしまうというか、多分今思うと鬱みたいな状態になってたと思うんです。

もう当時僕は柔道整復師の国家資格を取って整骨院の仕事はしていたので、引退はしたんですけど仕事は続けていて、挫折した分治療家として頑張らねばと様々な研修会やセミナーに参加しつつ、併せて自分の体はどうしたら良くなるかも勉強していました。色々な病院紹介してもらったりとか、いろんな先生紹介してもらったりしたんですけど、なかなか良くならなかった。

そんなある時、オリンピックの強化トレーナーの先生で、体を評価して整えるっていうような今で言う『機能神経学』と『運動連鎖』ということをもとにした勉強会を受けることになりました。そしたら当時膝が痛かったんですけど、肩甲骨の動きを変えたことによって、膝が全然軽くなったんです。

これは面白いなと。どこかが悪いからといって局所的に見るんじゃなくて、その人全体をちゃんと評価をして見れる状態になりたいと思って、その先生に師事をしました

身体を痛めた原因はその使い方が悪いんじゃないかと思い、ヨガやピラティス、DNSトレーニングなどのトレーニング系の運動も勉強しました。そういった勉強を続けていくと、やればやるほど「これは武道じゃないかな」と思うようになりました。昔に玄気道で稽古してきたことや、格闘技で教わっていたことにエッセンスが沢山あるなって思ったんです。

逆に武道をするときに「この意識をすれば強くなる」という気付きもあって、武道って改めて面白いなと思って、それが後の健陽会発足に繋がっていきます」

「ただ、徐々に体が整ってきたんですけど、それでも蕁麻疹とか倦怠感がなかなか良くならない。
その時に出会った治療家の先生がファスティングをやっていて、自分もやってみたら、ずっと薬を飲まないと治らなかった蕁麻疹も二ヶ月くらいで消え、倦怠感も無くなりました。食って大事だなって思って、食の勉強もし始めたんです。

整骨院を始めるときに、この運動療法と施術に加えて、食の相談がちゃんとできる場所を運営したいと思っていた所に、今の会社の代表と出会いました。その代表もこういう運動療法や整体に加えて、農薬や肥料を使わない自然栽培農業を始めるタイミングだったんです。一緒にやらないかと言われて呼んでもらったのが10年前ですね。

そこから整体と食の指導をやっていって、今年の1月にリニューアルオープンしての今です。武道の話じゃなくなっちゃいましたけど笑」

――健陽会について詳しく教えてください

「基本的には空手をメインにしてます。目的としては怪我をしない体作りと身体機能の向上、社会で自分らしさを発揮できるための礼儀作法・心作りっていうことを意識してやっております。メインとしては松濤館の空手をやっているんだけど、柔術もやってるんですよ。でも別に柔術の大会に出るためではありません。

整骨院に来る最近の子どもたちの中には、転んだ時に手をつけなくて顔を打っちゃったり、自転車が降りただけなのに足骨折しちゃう子がいて、昔より身体が弱くなってるということを感じていました。なのでまず受身がとれる体作りと、正しい体の使い方をとっさのときにできる体作りをしたいということで、マット運動や柔術的な動きを取り入れています。

組手は防具空手を取り入れていて、競技として防具空手の試合に出させています」

―今大会への出場を決めた動機を教えてください。

「敬天愛人の試合自体はすごく面白いと思っています。いろんな武道の先生たちが集まり、流派関係なく交流できるところが素晴らしいなと。僕の目的である体作りとか、今まで知らなかった動きを知ることが出来るという意味では、敬天愛人でいろんな先生たちと手合わせしていただけるというのが凄く面白い。なので、行けるときはなるべく手合わせにも参加し、試合にも出ようと思っています。

なぜプロの試合に出ようと思ったかで言うと、あんまり意味はありません。どうせ試合をするんだったらやるんだったら、防具なしの状態でやってみたいなっていうぐらい。プロに対して強い思いがあったというよりは、なんか面白そうだったっていう、それだけの理由かもしれません」

――本大会に向けてどのような準備をされてますか。

「基本的に武道も体の状態っていうのも、日々のあり方だと思っています。ここでやっている食もそうだし、生活の仕方だったり仕事のときの姿勢・体制とか体作りもそうだし、どの様に日々生活するかっていう事がまず大事だと思っています。そういう準備は常日頃すると。

その上で健陽会で一緒に子どもたちを教えている先生と、昼休みにミットを持ってもらったり軽くスパーリングしたりとかもしています。それとK-ClannというDeepのチャンピオンの横田 一則さん代表が務めるジムに一般会員として週に何回か練習させてもらって、プロの洗礼を沢山受けています」

――対戦相手の印象を教えてください

「1回手合わせさせてもらったんですが、まずめちゃくちゃ早い。あと間合いが分からないですよね。手の起こりがあまりわからないのと、僕から間合いを外そうとしても、うまくコントロールできない感じがあってすごくやりづらい印象がありました。もう2年ぐらい前ですかね。

あと競技的なところではない、捉えどころのないものっていうのを感じていてすぐ面白いなと。今回対戦することになって凄く光栄だし、凄く緊張します」

――対戦相手のどんな点を警戒してますか

「一番最初の突きの起こりが分からない部分とかは警戒しなくちゃいけない。あとは一発で終わらない印象があるので、僕は割と距離を取って戦うことが多いんですけど、それだと多分そのまま距離をつぶされてやられてしまうのかなという印象もある。そのあたりも気をつけなければいけないと思います。」

対戦相手に一言お願いします。

「やるからには、お互い本当に一生懸命、全部出し合って悔いのない試合をしましょう。お願いします」

――敬天愛人の印象は?

「敬天愛人はいろんな流派の先生たちがいるので、気付きがたくさんあるんですよね。今まで空手とかキックボクシングとか総合の中でやっていた中で、僕なりに感じていたルール・基準っていうものの、外側からくることがたくさんある。それを知れば強くなる余白が生まれるので、そこの面白さもすごい感じています。

やっぱり総合格闘技のアマチュアの試合とか空手の試合と沢山あるし、それもそれで面白いと思うんですけど、自分の想定の外からいろんな情報が得られるのは僕の中で成長に繋がるなと思って、なるべく参加しようと思っています。」

――今大会での目標を教えてください

「もちろんプロの試合に出るということで、勝つことも大事だし、ちゃんと自分を出し切ることっていうのはポイントかなと思う。僕もプロとして出てた時代って18年ぐらい前で、試合もそんなに出てきてない。前回の試合もめちゃめちゃ上がってしまって、出し切れなかった。そこのマインドをちゃんとコントロールし、自分の能力をちゃんと発揮しきるっていうのは、課題であり目標です」

――今回の対戦で自分のどんな強みを見せたいですか?

「僕のベースは治療家としての人生を歩んできた中で、武道にまた戻ったっていうところ。身体操作の部分とか日々の食生活など、年齢を重ねつつも今ある程度動けるというのは、多分そこの影響ってあると思っています。そして僕自身は空手だけでもなく、総合もキックもやり、いろんな武道も取り入れて稽古しているので、そこを見てもらいたいと思っています」

――将来的に目指してるものは?

「僕がやっているのは本当にこの「Seed」という名前の通り、『未来の種まき』ということをやってきています。

整体も、食や農業も、武道も先人たちが培ってきた良いものが、便利だから、商業的に沢山作らないといけないからという理由で失われてしまっている。そういったものをちゃんと僕たちが受け継いで、培って、次の世代に繋げていくということをしたい。

だからこういう施設をやっているし、道場で子どもたちにそういうことを指導している。そういったことを、ここだけじゃなくて色々な場所で、色々な形で世界に広げていきたいという気持ちがあります」

――敬天愛人のファンやサポーターに向けて一言メッセージをお願いします

「今までの自分のやってきた歴史を試合でしっかり出し切れたらと思っていますし、出し切るためにまた準備もしてますので、楽しみにしていただけたらと思います。よろしくお願いします」

・織田亮介

40歳 / 175cm /67kg
・武道・武術・格闘技歴:空手 16年 キックボクシング 3年
柔術 1年 MMA 4年
・バックボーン:空手
・所属:健陽会 k-clann
・戦績:キックボクシングのプロ戦績3勝2敗(2ko)
・必殺技:バックキック
・自流紹介:「身体のプロが指導する武道」をテーマに、
"身体機能の向上" "怪我のしにくい身体の獲得"
を目的に、動作の一つ一つに意味と目的を持たせながら指導しています。
主に空手を中心に行っていますが、様々な動きを体に取り入れるために柔道や柔術など他の武道の動きも取り入れ多種多様な身体操作が身につく様に稽古しています。

第6回敬天愛人練武大会 大会情報/チケット

第6回敬天愛人練武大会

第6回敬天愛人練武大会 大会概要 開催日時 2024年9月7日(土) 9:40開場 / 10:00開始 会場 墨田区総合体育館 武道場 主宰 敬天愛人練武大会実行委員会/株式会社KOK…

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